奇妙な異世界

ああ、そういうことか

異世界転生

【短編小説】定時で帰りたい俺が、異世界支社に転勤になった話

「おい田中、来月から異世界な」 「は?」 上司のその一言で、俺の運命は決まった。 「異世界に支社ができたんだよ。お前、行ってこい」 「ちょ、ちょっと待ってください!俺、今年は残業減らすって目標に……」 「異世界支社はな、時差があるから24時間営業な…

【短編小説】異世界で、また会おう

「お前は選ばれし勇者だ」 白髪の老人が言った。男の目の前には眩い光が溢れている。 「異世界グランテラに転生し、魔王を討て」 男は目を見開いた。 「え、俺? 異世界転生? 本当に?」 「はい、運命が選んだ。これから君は新たな人生を歩むのだ」 光が男…

【短編小説】一生に一度の異世界観光が、そのまま一生になった僕の話

お題「人生で一度でいいからいってみたい国ってどこですか?」 「一度でいいから、行ってみたかったんだよな」 椎名はパスポートを握りしめながら、ぼそっとつぶやいた。 目の前には大きな空港の搭乗口。行き先は――「アイザワ共和国」だった。 「え、それど…

【短編小説】目覚めたら魔王でした

「おめでとうございます!異世界転生が完了しました!」 男は目を覚ました。 「え、俺……死んだんだっけ?」 「はい。過労死ですね。なので、特別に異世界転生のチャンスを差し上げました」 「マジか。ありがてえ……」 「今回、あなたには“魔王コース”をご用意…

【短編小説】異世界カレー開店しました

今週のお題「カレー」 ※ 「目を開けてください」 気がつくと、男は知らない場所にいた。薄暗い神殿。周りにはローブをまとった人々が膝をついている。 「あなたは異世界の救世主です」 「……え?」 「どうか我らの国を救ってください!」 男は混乱した。たし…

【短編小説】レンタル神様

ある日、街角に「神様レンタル屋」ができた。看板には、かわいいイラストとポップな文字。 『1日1,000円で、あなたの願いをお手伝い!』 「いやいや、神様が1,000円って安すぎだろ」 そう思いながらも、好奇心で男は店に入った。 中には、白いヒゲの小さな老…

【短編小説】異世界納税課

「おめでとうございます。異世界転生の当選通知です」 男は目を疑った。手元の封筒には「異世界納税課」と書かれている。 「え、いや、そんな応募した覚えは……」 「当選確率は全国民平等です。抽選結果には従っていただきます」 役所の職員は淡々と言った。 …

【短編小説】理想の異世界に転生したら説明書がついてきた件

目を覚ますと、金髪の美少女が俺の顔を覗き込んでいた。 「お目覚めですか、勇者様!」 ……え、なに? 勇者様? 「ここは異世界リヴィオ。あなたは神の采配により選ばれし者、いわゆる――『転生勇者』です!」 ああ、はいはい、そういうやつね。 期末テスト前…